絨毛性腫瘍子宮の体外潅流実験
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概要
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絨毛性腫瘍の病態を human reproductive organ biology の立場から検討しようとして絨毛性腫瘍子宮の体外潅流保存実験を行なつた. この種の実験では, 潅流中の子宮を生体内のその臓器の condition に類似させることの困難さと臓器自体の生理現象を示す parameter の選び方が重要なポイントである. 著者の実験成績から判断すると適正な condition を設定する為には, メカニカルな問題と共に潅流液中の RBC, Hb, Ht 量や PO_2, PCO_2, pH等の恒常化が極めて大切であり, 生活現象の parameter としては子宮筋の脱分極像を始め, lactate, pyruvate 量や両者の比が極めて重要である. また腫瘍の活性の parameter としては腫瘍絨毛より分泌される hCG, hPL 量の変化や腫瘍組織の分割 biopsy によるDNA合成能の検討が有力な参考となる. 著者はこの新しい試みである子宮の体外潅流保存実験が今後ヒトの生殖機構に関する研究や絨毛性腫瘍の病態生理に関する研究で有力な手段を提供するものと確信する.
- 社団法人日本産科婦人科学会の論文
- 1973-06-01
著者
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