マウス子宮内膜並びに頚部上皮に及ぼす estradiol の影響 : 組織学, ラヂオオートグラフィーおよび超微形態学的研究
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概要
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去勢 mouse の尾静脈内に estradiol-17β を投与し, 子宮内膜被覆上皮並びに腺上皮, 子宮頂部上皮の初期の経時的な変化を組織学, radioautography 並びに電子顕微鏡による超微形態学的に観察した. 1) 組織学的には各上皮とも大部分の細胞において, 細胞, 核, 核小体の増大, 核質の分散並びに凝集像が認められる. これらの変化の一部は子宮内膜上皮では8時間後, 頚部上皮では12時間後より観察され, 48時間後には各上皮とも最大の変化を示し, 72時間迄持続する. 2) radioautography の所見では ^3H-thymidine の取りこみ率は内膜上皮では12時間後に (被覆上皮67.6%, 腺上皮18.8%), 頚部上皮では24時間後に (transitional zone 37%, reserve cell 53.7%) とそれぞれ最高値を示した. 3) 超微形態学的所見では各上皮ともほとんどの細胞に, 細胞の丈の増加, 核小体の増大, chromatin 分布の変化, ribosome の増加, 脂肪顆粒の減少などの変化が認められた. これらの変化は一部では4時間後より観察されるが, 24時間後に最も著明である. このように estradiol による変化は上皮の部位によりやや差があるが, estradiol 投与後4時間後に形態学的に観察され, 約24時間後に極期に達しその後は漸次消失する.
- 社団法人日本産科婦人科学会の論文
- 1973-05-01
著者
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