子宮頸癌治療の尿路に及ぼす影響について
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概要
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子宮頸癌患者に對する放射線治療の尿路に及ぼす影響に就いては最近重要視される様になつて来たが,治療後1年目の尿路の状態を治療前のそれと膀胱鏡檢査,腎盂尿管レ線像より比較し,さらに平均2年間に亙る臨床經過を参考にして檢討して見ると加療前の腎尿管擴張は一般に臨床所見の輕快と共に一時快方に向うが,高度の場合の予後は不良であり,治療後新たに發生する擴張は半數が旁結合織再發の爲であつた.膀胱所見も浮腫以上の病變は臨床所見の輕快と平行する. 頸癌の根治手術も尿管に及ぼす影響はかなり強いと云われて来たが,私はIndigocarmin排泄試驗より術前及び術後10〜14日目前後の状態を比較檢討し,約半數に何らかのIndigocarmin排泄障害を認めた.主因はやはり手術時尿管に對する外力と思われるが,障害高等の例でも尿管瘻發生例以外は1ヵ月前後では多くの場合かなり恢復した.尾骨側ドレナーヂとIndigo排泄障害との關係は排液量300g以上の場合に障害例が多い. さらに2年間の頸癌295例中,腎盂尿管レ線上より發見した腎盂・尿管の先天性奇形に就いて述べ手術との關連性を檢討した.
- 社団法人日本産科婦人科学会の論文
- 1955-07-01
著者
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