子宮頸癌患者に合併する尿路病變について
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概要
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子宮頸癌患者に併發する尿路病變は古くから剖檢例上知られて來たが,私は滿2年間の頸癌患者全例に就いて,加療前に非撰擇的に腎盂・尿管レ線像と膀胱鏡檢査により檢索を行つた.腎及び尿管變化としては尿管の鬱滞,腎杯の擴張から高等の腎・尿管水腫に至るまでの種々な程度の擴張を認めたが,進行期の進むにつれ又癌浸潤程度と平行して病變の増加を認めた. 膀胱變化に就いては血管擴張,隆起等は輕度の所見であり,直接癌の浸潤に關係のない場合も多いが,浮腫以上の場合は大部分が癌の浸潤に關係するものと見られた.又自覺症の一部は膀胱炎が關與するものと思われる. 頸癌の治療前の尿路檢査は癌浸潤の進行状態をより正確に知り得るのみならず治療方法を決定する上に必要な檢査であることを確認した.
- 社団法人日本産科婦人科学会の論文
- 1955-06-01
著者
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