被照射 Walker 256 腫瘍における血管量局所血流量の変動に関する研究
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概要
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腫瘍の放射線感受性は局所の酸素分圧, 血管量, 血流量等と密に関連することは広く認められている. 今回移殖腫瘍に1時照射, 分割照射を行ない, 同時に対照として種々の大きさの非照射腫瘍に^<51>Cr, ^<86>Rbを用いて腫瘍の血管量, 局所血流量の変動を定量的に測定した. 更に ^<133>Xe Clearance time の測定, microangiography 等により照射効果と血管系の変動との関係を動的に, 形態学的に検討し次のような成績を得た. 1. 非照射腫瘍においては腫瘍の増大と共に, 単位重量当りの血管量は軽度に減少する. しかし局所血流量の減少はこれよりも更に著しい, ^<133>Xe Clearance time の測定成績でも腫瘍の増大と共に t^1/2は遅延する傾向が認められる. 2. 被照射腫瘍では効果良好群では1時照射, 分割照射群共に血管量の減少が著しい. しかし局所血流量の減少は血管量に比べて軽度で, 所謂 vascular function rate は上昇する. ^<133>Xe clearance time 値は照射後7日目で照射前に比べてやや延長が認められ, 14日目では再び短縮する. 3. 被照射腫瘍のうち効果不良群では照射後7日目, 14日目共, 血管量は良好群ほど減少しないが, 局所血流量の減少は著明で vascular function rate は低下する. ^<133>Xe Clearance time 値も照射後7日目, 14日目と次第に延長する. 以上の成績から腫瘍の放射線感受性と血管系の変動との関係は, 真に機能を営んでいる capillary flow と非機能的な shunt flow との比率によつて大きく左右されると推論した.
- 社団法人日本産科婦人科学会の論文
- 1973-08-01
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