実験的腟トリコモナス症に関する研究
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概要
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Trichomonas vaginalis (以下 T.V. と略) の感染成立機序を解明する目的で, サル腟内へのT.V.接種実験を行なった. 実験A 無処置の非去勢サル全例にT.V.感染が成立し, 自然治癒の傾向がないことを確認したのち, Metronidazoleによる治療実験を行なった. 次いで, 去勢サルでは T.V.接種実験が成立しないが estrogenを投与することにより去勢サルでも感染が成立する可能性があることが明らかとなった. そして, これら諸群における感染成立の有無ならびに hormone投与, 化学療法とサル腟内容ことに glycogen index (G.I.) の変動との間に密接な相関性があることが判明した. 実験B 実験AよりT.V.感染成立と estrogenの影響による腟内容G.I.の変動との間に深い関係のあることが認められたので, estrogen分画およびその投与量と接種実験との関係を中心にさらに詳しく追求した. T.V.接種時GIが一定の範囲内で感染成立が可能であった. 実験A, Bの結果T.V.感染成立には, estrogenの影響による腟上皮中の glycogenが重大な意義を持っていることが実証されたが, これは単にT.V.だけでなく一般にひろく感染成立における生体と hormoneの関連性を示すきわめて興味ある知見である.
- 社団法人日本産科婦人科学会の論文
- 1968-02-01
著者
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