尿中絨毛性gonadotropinの生物活性と生化学的性格に関する研究 : 第2篇 絨毛性腫瘍患者尿中gonadotropinについて
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概要
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著者は第1篇において, 妊娠の経過に伴って変化する妊婦尿中HCGの特異な性格について検討したが, さらにここでは同じ方法により絨毛性腫瘍患者尿中gonadotropinについて検討し, 正常妊娠, 胞状奇胎, 絨毛上皮腫の3者間の尿中HCGの差異について次の如き結果を得た. 即ち, 絨毛性腫瘍患者尿中HCGには正常妊娠時にはみられない高分子のgonadotropinを含有し, それは生物活性としてはFSH的である. また胞状奇胎では他の2者に比し強いFSH活性を有し, そのspecific activityも非常に高値である. 一方絨毛上皮腫HCGは他の2者に比しよりacidicな蛋白質より構成されている. さらにこれ等の場合も正常妊娠時と同じく, いずれの方法においてもFSH的成分とLH的成分を各々独立した成分として分難し得ない. 以上, 正常妊娠, 胞状奇胎, 絨毛上皮腫の3者間の尿中HCGの差異を証明し, 尿中HCGのもつ性格の特異な一面を解明し得たと思う.
- 社団法人日本産科婦人科学会の論文
- 1968-12-01
著者
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