妊娠末期に於ける母体尿中ステロイド排泄に及ぼすACTH, Metopirone並びにDexamethasoneの影響
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概要
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妊娠末期の24例の妊婦にACTH, metopirone, dexamethasoneを投与し, その毋体尿中estriol, estrone, estradiol, 17-hydroxycorticosteroids (17-OHCS), pregnanediolを濁定検討した. 7例の正常末期妊婦ではAGTH投与後尿中estriol排泄は増量した. 又, 5例の子宮内胎児死亡妊婦ではACTH投与により尿中estriol排泄に影響を与えなかつた. 5例の末期双胎妊婦ではACTH投与により尿中estriol排泄は著明に増量したが, estrone+estradiol排泄は著変を認めなかつた. 5例の無脳児妊婦では尿中estriol排泄は低値で, ACTHによる影響を認めなかつたが, 1例だけ無脳児の副腎が正常児のそれの1/3程度であつた例ではその絶対値は低かつたが, ACTHによる尿中estriol排泄は増量を認めた. 一方2例の双胎妊婦ではACTH投与後尿中17-OHCS排泄はcontrolの1.2〜2.1倍であつたが, 子宮内胎児死亡妊婦, 及び無脳児妊婦に於いてはcontrolの5.1〜6.2倍に増量した. そしてこれは3例の去勢婦人に於けると同様の傾向を示した. 3例の末期双胎妊婦では, metopirone投与により尿中estriol, 17-OHCS排泄は増量し, 2例の正常妊婦ではdexamethasone投与により尿中estriol, 17-OHCS排泄は著減したが, 尿中pregnanediol排泄は副腎刺激並びに抑制のいずれにても影響されなかつた. 以上の成績から, 正常妊娠末期に於いては正常胎児の存在が妊娠個体のhomeostasis維持に密接な関係を有すると考えられる. 特に妊娠末期に於けるestriol並びに17-OHCSの産生調節に胎児の下垂体-副腎系が重要な役割を演じていることが推測され, 一方pregnanediol産生には胎盤がuniqueなsiteであると云える.
- 1970-11-01
著者
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