マウス胎仔による新生児仮死に対する保温と薬物療法の検討
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概要
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新生児仮死蘇生に対する保温の影響と薬物療法の効果を検討するために,妊娠マウスを用いて子宮への血流を一定時間遮断することによつて仮死におちいらせた胎仔について,環境温度の差および各種の薬物の投与によつて,その蘇生率がどのように変るかをみた.低温環境では蘇生率は有意に低下した.また血流遮断中は低温におき娩出後は高温においたものは,分娩の前後共に高温においた対照群にくらべて,蘇生率は有意に高かつた. 麻酔剤および交感神経遮断剤の投与は蘇生率を低下させた.低体温および麻酔剤は低酸素状態に対する抵抗力を強くするが,仮死蘇生そのものには不利な条件となると考えられた. テラプチク,ビタカンファーの投与が最も蘇生率を上昇させた.ATP,ノルアドレナリンも有意に蘇生率を上昇させた. 過酸化水素水,チトクロームC,エホチール,ネオシネジン,ロベリン,レジブホゲニン,ガングリオシッド,10%ブドウ糖の仮死仔への投与,および20%ブドウ糖,5%重曹水,チトクロームC,ATPの母体投与では対照と有意差がなかつた.
- 1967-07-01