低酸素状態における白鼠胎仔脳神経細胞の微細構造の変化について
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概要
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低酸素状態における胎児脳神経細胞の微細構造の変化を知るために,妊娠白鼡を用いて,子宮への血流を遮断することによつて胎仔を低酸素状態におちいらせ,胎仔大脳皮質神経細胞の変化を電子顕微鏡で観察し,さらに死後変化との比較検討を行なつた. 子宮血流遮断20分以内に娩出させた胎仔では正常対照像と差がなかつた. 遮断時間30分および40分後に娩出させた胎仔の神経細胞ではmitochondriaの内部融解がみられた.また50分および60分遮断の胎仔ではmitochondriaの膨化変形がみられ,内部構造の破壊もすゝんでいた.しかしmitochondria以外の細胞成分では殆んど変化はみられなかつた. 死後変化は低酸素による変化と類似していたが,60分遮断のものでも死後10分にくらべて変化の程度は軽微であつた.
- 社団法人日本産科婦人科学会の論文
- 1967-06-01