家兎乳腺中の核酸及びその他の燐酸化合物の消長並びにその形態学的,組織化学的変化に関する実験的研究
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概要
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乳汁分泌の機構を生化学的に解明する目的を以って,家兎乳腺に就いて,妊娠,泌乳,産褥の各時期及び実験的泌乳状態を起させた時の核酸,その他の燐酸化合物を測定した.生化学的検討の他,更に,形態学的,組織化学的に核酸の所在と変動を検討し,次の如き結果を得た. 1)核酸その他の燐酸化合物の分画はSchmidt & Thannhauser法によった. 2)遊離燐酸定量は,Fiske-Subbarow氏法,Youngburg & Youngburg氏法,又は赤松・今井のSafranin法によった. 3)RNA-Pは妊娠進行と共に増加し,泌乳最盛期に最大となり,離乳と共に減少する.DNA-Pは全期間を通じ殆んど不変であるが,妊娠初期から中期にかけて増加の傾向がみられる. 4)酸溶性燐,燐脂質はRNA-Pと同一傾向の変動を示した. 5)燐蛋白は妊娠中期より存在し,泌乳最盛期に最大となり,離乳と共に減少する. 6)人工泌乳の場合は,Prolactin投与と同時にRNA-Pは増加し,中止すると減少した. 7)酸溶性燐,燐脂質はRNA-Pと同一傾向の変動を示した. 8)燐蛋白についてもProlactin投与によりRNA-Pの場合と同一傾向を示した. 9)組織化学的には,Toluidine-blue染色及びMethylgreen-Pyronin染色により,核酸の変動が生化学的変動とほゞ一致することを明確にした.
- 1967-05-01
著者
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