人子宮筋における弛緩因子系について
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概要
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骨格筋および心筋についてはその生理的弛緩因子系の存在する事が報告されている.一方,子宮筋に生理的弛緩因子が存在するか,否かについて現在なお確認されていない.本論文において,人子宮筋を使用して,生理的弛緩因子系が存在する事を報告し,併せて次の様な結果が得られた. 子宮筋から得られたheavy microsomesは骨格筋のグリセロール筋およびmyofibrils,ならびに子宮筋のmyosin Bに対して弛緩活性を有しており,この弛緩はCa^〓によつて除去される. 子宮筋のheavy microsomal ATPase活性は骨格筋のそれに比較して3〜5倍高値であり,この活性はCa^〓やEGTAによつて殆ど影響されない. また,子宮筋のheavy microsomesはMg^〓, ATP, K_2-oxalateの存在下にCa^〓を結合し,その最大値は添加するCa^〓濃度に依存するが0.2〜0.3μ moles Ca^〓/mg of proteinであつた.この程度のCa^〓結合能のみで弛緩機構を解明し得るか,否かについては今後の問題である. 上述の様な子宮筋から得られたmicrosomesの本態については,電子顕微鏡的所見から考えて,子宮筋のendoplasmic reticulumから由来するものと考えられる.
- 社団法人日本産科婦人科学会の論文
- 1967-03-01
著者
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