人子宮筋のcontractile systemについて
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概要
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子宮筋の収縮要素については,骨格筋の収縮要素と本質的な差がないとするもの,あるいは収縮要素の組成に差があるとするものがある.しかし乍ら,現在迄に子宮筋についての研究はあまり数多いとは言い難い.著者は人子宮筋のmyofibrilsおよびmyosin Bについて研究し,その両者の差,あるいは骨格筋との異同について論じ下記の様な結論が得られた. 子宮筋のmyofibril-ATPase活性はKCl濃度の変化,ATP濃度変化,骨格筋のmicrosomesおよびEDTA等に対する感受性が子宮筋myosin Bのそれに比較して低い.更に子宮筋myosin B-ATPase活性は子宮筋myofibrilsのそれの約20%であつた. この様な事実より子宮筋myofibrilsには上述の諸条件に感受性のないATPaseの混在が考慮される.更に著しい子宮筋のmyofibrilsとmyosin Bの間の差異は,Ca^〓に対する態度の差であつて,子宮筋myofibrilsはCa^〓に感受性がないと考えられる. 子宮筋myosin BはMg^〓濃度依存性に於て二相性の変化が見られ,Mg^〓濃度0.05mM〜2mMの範囲ではMg^〓濃度増加と共にmyosin B-ATPase活性は増大し2mM以上10mMのMg濃度範囲ではMg^〓濃度増加と共にmyosin B-ATPase活性は低下した.骨格筋myosin BのMg^〓濃度依存性と同様ではあるがその至適Mg^〓濃度は子宮筋でははるかに高濃度であつた.子宮筋myosin Bは1 mM ATPの添加によつて定型的な超沈澱および粘度変化を示した.
- 社団法人日本産科婦人科学会の論文
- 1967-02-01
著者
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