絨毛性疾患のProgesterone環境に関する研究 : 2-stephydrolysisによる尿中PregnanediolおよびPregnanetriol測定値について
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概要
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繊毛性疾患の内分泌環境を検索する目的で, 尿中 Pregnanediol (pdl), および Pregnanetriol (ptl) を 2-step hydrolysisによる測定法を用い, まず, 対照群として卵胞期, 黄体期, 閉経期, 妊婦について測定後, 胞状奇胎17例, 破壊性奇胎13例, 繊毛上皮腫9例について測定し, 比較検討した. 同時に, 測定法に関する検討を行なった. 尿中pdlはglucuronide以外のconjugatesの存在が考えられ, 一方, ptlは大部分glucuronideであり, 尿中pdl, ptl同時測定には, stephydrolysisが必要と考えられる. 正常月経周期における尿中pdl, ptl, は黄体期に高いが, ptl/pdl比は卵胞期, 黄体期を通じて同値であった. 妊婦では, pdl, ptlともに妊娠が進むにつれて増加し, とくに, pdlは妊娠中期より著しい増加がみられ, そのsourceとしては feto-placental unitが考えられる. 胞状奇胎における尿中 pdlは, 妊娠16週付近までは正常妊娠同時期とほぼ同値であるが, それ以降になるとやや低値を示し, ptlは, 全時期を通じて著しく高値を示した. 破壊性奇胎では, pdl, ptlともにほぼ卵胞期のレベルを示したが, ptl/pdl比は正常性周期よりも高値であった. 繊毛上皮腫では, pdlは卵胞期より低値を示し, ptl卵胞よりやや低値ながら有意差はみられず, ptl/pdl比は卵胞期, 黄体期より高値であった. 以上の成績から, 繊毛性疾患におけるprogesterone環境は, 尿中ptlおよびptl/pdl比に特徴を有し, HCGにより刺激された異常なmetabolic pathwayによるものと考えられる.
- 1967-12-01
著者
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