非妊娠時, 妊娠時, 分娩時および産褥時における自律神経緊張状態の推移
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概要
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新潟大学医学部附属病院産婦人科に来院又は入院分娩した20才代の健康非妊婦および正常妊産褥婦211例を対象とし, 手掌皮膚電気抵抗, 前腕屈側皮膚電気抵抗, 舌下温度, 最大血圧, 最小血圧, 脈搏間隔, 唾液分泌量の7検査項目について測定を行い, 既報の自律神経平衡因子得点算出式(F=-0.125Z_1-0.174Z_2+0.216Z_3+0.286Z_4+0.255Z_5-0.287Z_6-0.098Z_7)を用いることにより, 妊娠前期, 妊娠中期, 妊娠後期, 分娩時, 産褥時の自律神経緊張状態の変化を検索した. その結果は次の通りとなつた. 1)妊娠前期では非妊時に比して有意性は認められないが, 交感神経緊張状態を呈し, 更に妊娠月数の増加とともに, 交感神経緊張に傾き, 非妊時に比して妊娠後期には有意の交感神経緊張がみられた. 2)分娩時に交感神経緊張状態は最も強くなり, 分娩終了時には, 分娩時に比して, 有意の副交感神経緊張状態への復元がみられたがなお非妊時に比し, 有意の交惑神経緊張状態にあつた. 3)産褥5日目では, 分娩終了時に比して有意性は認められないが, 更に副交惑神経緊張へと復元したが, 分娩時に比し, 有意の副文感神経緊張状態にあつた.
- 社団法人日本産科婦人科学会の論文
- 1966-06-01