子宮筋腫患者の内分泌的環境 : 特に尿中中性17ケトステロイド排泄値を中心として
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概要
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子宮筋腫患者17名及び対照健康成熟婦人15名につき, 尿中下垂体性Gonadotropin, 尿中Estrogen総量, 尿中17-Hydroxycorticosteroids, 尿中17-Ketosteroids総量及び分画量を測定し, 子宮筋腫患者の内分泌総合環境を考察した. 測定方法は, GonadotropinはCrooke & Butt法, Estrogenは酵素水解, Hydroquinone-Kober反応, 17-Hydroxycorticosteroidsは酵素水解, 硫酸Phenylhydrazine呈色反応, 17-Ketosteroidsは神戸川の2 Step-hydrolysisを若干変えた著者の変法, 大野のColumn Chromatography, Zimmermann反応によつて夫々測定した. 子宮筋腫患者の内分泌的環境は次の点に要約される. 1)尿中下垂体性 Gonadotropin (殊にGA分画値)は筋腫群では対照群に比べ有意に高く排泄される. 2)尿中Estrogen及び17-KS総量値は筋腫群では対照群に比べそれぞれやゝ高い. Estrogen対17-KS比で両群を比べると略々同値であり, 筋腫群における特異的なEstrogen優位は認められない. 3)尿中17-KS分画値は, 筋腫群ではDehydroepiandrosteroneの排泄が対照群に比べ低い. 対照群は副腎系Androgenと性腺系Androgenは略々等比で排泄されるが, 筋腫群では副腎系Androgenは性腺系Angrogenに比べ優位に高く排泄される. 子宮筋腫患者の内分泌環境は下垂体-副腎-性腺系が生体防衛反応像として, その尿中排泄値は対照群と異つたPatternを示した.
- 社団法人日本産科婦人科学会の論文
- 1966-05-01
著者
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