制癌剤の効果に関する臨床的研究
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
制癌剤による癌の化学療法は, 手術や放射線療法の局所療法に対し全身的療法としての効果を期待して, 昭和33年より昭和39年10月迄に入院した***癌患者のうち, 子宮頚癌104例(根治手術例82例, 手術不能例22例), 子宮頚癌以外の***癌11例合計115例について, Nitromin, Mitomycin C, Endoxan, Toyomycin, Tespaminを投与し, 臨床的観察及び予後より, 制癌剤の効果を検討した. 1)子宮頚癌根治手術例と制癌剤との併用群の予後, は対照群に比しやゝ不良であつた. そこで予後を左右する因子別に分類して, 両者の予後を比較した結果, L型, リンパ節転移陽性例に於て, 制癌剤投与群の予後がすぐれており, 併用効果を認めたが, 進行期別及びC型, P型ではやゝ不良であり, 薬剤投与開始時期よりみた遠隔成績は一定の成績を示さなかつた. 2)子宮頚癌手術不能例22例中, 静注例15例では1例にのみ局所所見の改善を認めたにすぎない. 動脈内投与例7例全例共, 他覚的効果を認めなかつた. 3)子宮頚癌以外の***癌では, 卵巣癌1例, Dysgerminoma 1例に腫瘍の増大阻止, 縮小, 延命効果を認めた. 4)副作用は, ^<60>CO照射との併用群では, 白血球減少50%, 血小板減少16.7%, 悪心嘔吐33.3%, 肝機能障害4.2%, 制癌剤単独投与群では白血球減少41.7%, 悪心嘔吐33.3%, 動脈内投与群では, 白血球減少25%, 悪心嘔吐25%であつた.
- 1966-05-01