産婦人科領域に於ける超音波診断法
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概要
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エレクトロニクスの一つである超音波診断法は, 胎児に対して無害であるとされるので, 産婦人科領域でも, 頻回に実施出来, 方法も簡単, 且つ正確度が高く, 患者に無害, 無痛の点から学会でも注目される様になつた. 日本無線製SSDII型診断器を使用し(振動子2.25及び5MC), (1)胎児児頭大横径計測, (2)妊娠早期診断(3)その他, 産婦人科で日常臨床上興味ある疾患の診断等について検討し, 種々の知見を得た. (1)本法による胎児大横径計測値は90%以上の例について実測値との差が±0.3cmであつた. 帝切, 及び骨盤位分娩例も, 同様の成績であつた. (2)正常妊婦に就いて, 妊娠経過に伴う胎児大横径計測値より, その胎児成長過程を知り, これと中毒症例の連続的な大横径値の変動とを比較し, 後者は, 殊に混合型では正常妊婦に比べて低値を示すものが多かつた. (3)本法により, 分娩前に測定した胎児大横径値とその児体重とは相関関係があり, その回帰直線により, 成熟児ではほぼ±200g程度の偏差で, 子宮内児体重の推定が可能であつた. (4) 妊娠早期診断(経腟法); 妊娠週数が進むにつれて子宮腔エコーの高さも増大の傾向を示し, 妊娠7週以後, 妊娠診断はかなりの精度で可能であつた. (5)その他卵巣腫瘍, 子宮筋腫, 胎位, 胞状奇胎等の診断及びその鑑別について検討し, 補助診断法として有意義である事を認めた.
- 社団法人日本産科婦人科学会の論文
- 1966-10-01
著者
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