ABO式不適合による新生児溶血性疾患の診断における溶血性抗体の意義
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
著者はABO式不適合溶血性疾患の診断の困難性, ことに血清学的診断法の決め手に欠ける現況にかんがみ, 凝集性2価抗体よりも"hyper-immune"とみなされる溶血性抗体に着目して検索を行つた. 著者実験の特色は溶血素を可及的人体"in vivo"に近い条件下にとの趣旨のもとに補体はヒト血清を使用したこと, および溶血素にも凝集性抗体における1価(不完全)抗体の概念を導入し反応系の修飾を行つたことである. 実験の結果, 従来の凝集性1価抗体価よりも溶血素価の方が診断的価値に富むものであり, その一応の指標としては2倍以上というのが妥当と考えられるに至つた. なお凝集性1価抗体価と溶血素価との両者を併用すればさらに良好な成績がえられることはいうまでもない.
- 社団法人日本産科婦人科学会の論文
- 1966-09-01
著者
関連論文
- 最近17年間のわが教室における奇形について
- 臍動脈を使用する新らしい新生児交換輸血手技 : Saling 法変法
- 品胎中2胎が無心体(acardius)であった1症例
- ABO式不適合による新生児溶血性疾患の診断における溶血性抗体の意義