破壊性胞状奇胎,絨毛上皮腫の診断,治療に関する知見
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概要
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絨毛性腫瘍の治癒率向上の最大の要点は,早期発見であることはいうまでもない.悪性腫瘍としての絨毛上皮腫(絨腫)は経過の速かなる点,迅速な全身転移,予後全く不良なる点,臨床家を最も悩ませる疾患の1つである.しかし胞状奇胎を出発点とする絨腫が50%以上を占める点からは早期発見の手掛りを与えられている点を重要視すべきである.また他悪性腫瘍にはみられないHCG産生腫瘍であるのでその消長,行方を比較的容易に知り得るという診断,治療上の利点も見逃し得ない.さらに胎児性組織を基盤とする寄生的性格から最近化学療法にみるべき向上がもたらされている.このような観点からは必ずしも治癒率の向上を望み得ない腫瘍ではないとの印象を強くしていることから光明のある疾患ともいえるのである.実際,最近の診断,治療における進歩はわれわれを大いに力づけてくれている.既に昭和42年日産婦総会の会長講演(日産婦誌19巻8号,839〜847頁)にも本腫瘍についての知見を述べたが,本稿においてはその後の成績から得られた知見を加えて御紹介し,御参考に供するとともに御批判を得たいと考え
- 社団法人日本産科婦人科学会の論文
- 1969-12-01
著者
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