化学排卵物質のLH分泌に及ぼす影響
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
近年,Clomid,F6066などすぐれた臨床排卵効果が報告されているが,その排卵作用機序をLHの方面より検討し,さらに植物排卵物質のLHにおよぼす影響についてラットおよび家兎を用いて検討して次の成績をえた. Clomid,F6066そのものにはLH作用はない.これらの薬剤を大量投与すると雌ラットの性周期を変化させるが,その作用は,Clomidの方が強い.Clomid,F6066を雌ラットに連続20日間皮下注射すると,下垂体LH含有量は,Clomidでは少量投与ではやゝ増加するが大量では減少するのに比して,F6066は投与量に比してやゝ減少する傾向を示した.Androgenized ratおよび家兎に対しては,F6066およびClomidでは排卵誘発効果はなかつた.下垂体前葉のincubation実験では,Clomid添加でLHはやゝ減少し,F6066では増加の傾向を示した. 一方,Lycium chinense Millerの抽出物中,Sephadex G-25 gel filtration分画の下垂体incubation実験ではこの成分のみでLHの増加の傾向をみた.
- 社団法人日本産科婦人科学会の論文
- 1969-11-01