ニホンザル視床下部電気刺激によるgonadotropin放出への影響について
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
下垂体からのluteinizing hormone(LH)の分泌に関する視床下部の働きについては,主にratにおいて研究されているが,よりヒトに近いと思われる霊長類においては,あきらかではない.そこで,ニホンザルmacacas fuscatusにおいて視床下部諸核に電極を刺入,電気刺激を加え,血中LHの変化を調べた.その結果,(1)弓状核,腹内側核においては,250μA,500μAの電気刺激と共に血中LH値は上昇した.(2)室旁核,視索上核においては,250μA,500μAのいずれの刺激によっても血中LH量の変化は認められなかった.(3)視索前野において,血中LH量は内側核の250μAの刺激によっては変化しなかったが,500μAの刺激によっては上昇した.また外側核の250μA,500μAの刺激には,いずれも変化を認めなかった.(4)放出されたLHの血中からの半減期は35.4分,33.4分,48.4分,43.1分とヒトLHの血中よりの半減期に比べて,短かいものであった.以上の実験結果から,下垂体よりのLH分泌には,視床下部の弓状核,腹内側核が主に関与し,また視索前野内側核も関与しているが,弓状核,腹内側核とは異なることが朗らかとなった.
- 1983-07-01
著者
関連論文
- 特発性血小板減少症(ITP)を合併した子宮頚癌(lb)の手術例
- 全奇胎との双胎であった胎児共存奇胎の2例
- lysosome蓄積症により非免疫性胎児腹水を3回連続して反復した1例
- Transient Hypertension(TH)におけるPlatelet Activating Factor(PAF)-Acetylhydrolase(PAF-AH)活性の検討(一般演題:ポスター)
- ニホンザル視床下部電気刺激によるgonadotropin放出への影響について
- 子宮頸部上皮性腫瘍あるいは他疾患を有する患者の子宮頸部細胞におけるproliferating cell nuclear antigen(PCNA)発現に関する研究