胎内および産道感染の指標としてのAPR-Score

概要

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胎内および産道感染の早期診断スクリーニング法として,C-reactive protein(CRP),Orosomucoid(Om),Haptoglobin(Hp)の3者によるAcute Phase Reactants Score(APR-Sc)を使用して,従来の諸検査法とを比較し,その有効性について検討した.成熟新生児500例を対象として,臍帯血の培養,IgM,IgA測定,新生児の胃内吸引物の培養,その多核白菰球数の算定,臍帯の組織検査,臍帯血および新生児の生後10日間にわたるCRP,Om,Hpの測定を行った.その結果,感染発症例の各感染指標の陽性率は,胃内吸引物の多核白血球数の算定36.4%,胃内吸引物の培養27.3%,暖帯細胞浸潤27.3%,臍帯血の培養0%,臍帯血IgM 18.2%,臍帯血IgA 36.4%,臍帯血APR-Sc 63.6%とAPR-Scが最も高い陽性率を示した.また,APR-Scによりfalse negativeであった例も,生後のARP-Scの追跡により全例が陽性となった.以上により,胎内および産道感染のスクリーニング法として,APR-Scは従来の検査法にない極めて有効な指標であると考えられた.
社団法人日本産科婦人科学会の論文
1983-07-01