加齢に伴う卵巣のΔ^4-androstenedioneおよびtestosteroneについて
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
閉経前・後における卵巣のΔ^4-androstenedione(△^4-A),testosterone(T)の産生をみるため,35-65歳の閉経前・後の子宮頚癌(第1期)27例で手術時に卵巣関連の動脈(総腸骨動脈)・静脈(蔓状静脈叢)および肘静脈からほぼ同時に採血したほか,両側卵巣摘出術後の肘静脈血を経目的に採取してこれらを測定した.1)卵巣関連の静脈血中のΔ^4-A値は,閉経後の51-65歳群では,閉経前の35-45歳群と46-50歳群に比べて,それぞれ25.7%,25.1%と低下していた(ともにp<0.01).Tは閉経前・後で差はなかった.2)卵巣関連の動脈血中の△^4-A値は,閉経後群では,閉経前の両群に比べ,それぞれ56.1%,55.2%と低下していた(ともにp<0.01).Tは閉経前・後で差はなかった.3)肘静脈血中の△^4-A値は,閉経後群では,閉経前の両群に比べてそれぞれ58.7%,6217%と低下していた(ともにp<0.05).Tは閉経前・後では差はなかった.4)△^4-Aの,卵巣関連の静脈血値と動脈血値との比(OV/OA)は,閉経後群では,閉経前面群に比べ,それぞれ36.7%,40.0%と低下していた(ともにp<0.05).TのOV/OA比は,閉経前・後では差はなかった.5)両側卵巣摘出術後の肘静脈血の△^4-A値は,閉経前の3例(45歳2例,46歳1例)では,術後1日目には術前値の24.3%,2-30日目ではほぼ等しく術前値の平均13,3%であった.閉経後の65歳の1例では術後1日目には術前値の73.2%,2-30日目ではほぼ等しく術前値の67.7%であった.下値は,閉経前の3例では,術後1日目には術前値の81.2%,2-30日目ではほぼ等しく術前値の62.2%と低下していた(p<0.001).閉経後の65歳の1例では,術後1日目には術前値の80.0%,2-30日目ではほぼ等しく術前値の66.4%であった.なお閉経前・後群の両側卵巣摘出後の△^4-A,下値は各群でほぼ同値であった.
- 社団法人日本産科婦人科学会の論文
- 1983-11-01
著者
関連論文
- 287.更年期及び更年期障害における男・女性ホルモンの分泌動態について : 第53群 思春期・更年期・老年期
- 416. 子宮体癌婦人の内分泌環境およびインスリン分泌能に関する検討 : 第71群 ***の生理・病理 II
- 子宮内膜癌婦人における内分泌環境, とくにestrogensとandrogensについて
- 加齢に伴う卵巣のΔ^4-androstenedioneおよびtestosteroneについて
- 143. 妊娠貧血における鉄,葉酸,ビタミンB_の関連について