婦人の加齢にともなう下垂体ホルモンの動態
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概要
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器質的機能的病変のない成熟・更年・老年期婦人について, 血中FSH, LH, PRL, TSH, ACTH, GHを測定したほか, 一部にLH-RH, TRHテストを行つた.また, 閉経前後の卵巣摘出患者で経目的に血中FSH, LHを測定した.血清FSH, LHは年齢面からは45〜49牽頃, 、性機能面では更年期から, それ以前の年代に比べ明らかに高値を示すようになり, その後は60〜64歳まで漸増し, 以後は同様な値を示したが, とくにFSHではこのような傾向が著明であつた.閉経を中心にしてみると, FSHおよびLHは月経不順群からそれ以前の年代に比べて明らかに高値となり, 閉経後3〜4年未満まではさらに増し, その後4〜7年未満にかけては逆に漸減し, 7〜10年未満になると再び増加し, 以後は閉経後3〜4年未満の値に近い経過をとつた.卵巣刷出後のFSH, LHは, 有経婦人では去勢によく反応を示すが, 閉経後3年10ヵ月では反応は鈍く, 閉経後4年4ヵ月では反応は殆んどみられなかつた.成熟期・有経更年期・閉経(閉経後〜2年, 8〜26年)群・卵巣刷出(術前有経)群のLH-RHテストでは, FSH, LHのピーク値および最大実質増加値はいずれも成熟期で低値, 閉経後で高値がみられたが, 去勢婦人では閉経婦人よりもLHで高値がみられた.PRL, TSH, ACTH, GHの加齢に伴う推移は, PRLでは閉経から有意に低下し以後はほぼ向様の値で, TSHは60〜64歳以後からは有意に低下し以後は不変であつた.ACTHおよびGHは有経更年期をピークとし閉経後からは低下の傾向がみられた.有経群, 閉経群(閉経後2, 6〜8, 24年)のTRHテストによるPRLおよびTSHのピーク値および最大実質増加値は, LH-RHテストのFSHおよびLHの反応と逆の関係を示した.
- 社団法人日本産科婦人科学会の論文
- 1981-10-01
著者
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