準広汎性子宮全摘術々式の検討

概要

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昭和49年6月から同52年までの3年間に北里大学病院産婦人科で施行した準広汎性子宮全摘術(準広汎全摘のみ30例,リンパ節廓清併用34例)を対象に,本術式の現状を把握し,就中尿路系への影響につき検討した.1)残尿が50ml以下となるのに要する術後平均日数は,準広汎全摘のみ12.8日,リンパ節廓清群では15.4日であった.2)尿路感染症の頻度は12.5%であった.うち準広汎全摘のみでは6.7%であったが,リンパ節廓清群では17.6%と高かった.3)術前レノグラム正常例は81.4%(48例)であった.これらの術後1か月における検査では27.0%は片側に,4.2%は両側に主として軽度な異常を呈した.4) このレノグラム異常を呈したが,手術によって悪化しなかった例も含めたレノグラム不変率は76.2%である.6か月以後に正常に復した例も加えた長期不変率は88%である.6) 子宮動脈尿管枝温存は,レノグラム不変率を,非温存群の71.1%に比べ,92.9%に改善する効果を示した.7) 本術式による子宮旁結合織の切除長は左右共,平均約1.7cmで,膣壁のそれは1.2〜1.9cmであった.8) 手術時間,出血量および輸血についても検討した.
社団法人日本産科婦人科学会の論文
1979-03-01