ヒト満期胎盤絨毛細胞に対する母体リンパ球の感作状態について : マクロファージ遊走阻止試験
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概要
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ヒト絨毛細胞に対する母体リンパ球の感作状態を知る目的で,満期胎盤絨毛組織から絨毛細胞を採取して刺激細胞とし,母体リンパ球および他人リンパ球との間で混合培養を行い,その上清中のMIF活性をマクロファージ遊走阻止試験にて検討し,次の成績を得た. 1. 31例についての「絨毛細胞-母体リンパ球」(autochthonous)の関係ではMIは平均63.12±23.28であり,約37%の阻止率を認めたた.たゞ, 初妊群と経妊群との間に差を認めなかつた. 2. うち14例は「絨毛細胞-母体リンパ球」の他に,「絨毛細胞-他人リンパ球」(allogeneic)の関係についても比較検討し,前者では平均69.74±20.42,後者では平均95.81±9.03のMIを得た.3.18例については絨毛細胞の他に,その〓帯リンパ球を用いた混合培養を行い,「絨毛細胞-母体リンパ球」の関係では平均60.47±26.08,「〓帯リンパ球-母体リンパ球」の関係では平均52.32±18.41のMIを得た. 4. 7例については培養に際して自己血清(リンパ球採取者の血清)を添加した場合の影響を分析し,autochthonousの系の3例に特異的な遊走阻止の抑制を観察した.以上の実験成績について若干の文献的考察を加えた.
- 社団法人日本産科婦人科学会の論文
- 1977-09-01
著者
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