性ステロイド長期投与の内分泌機能に及ぼす影響の研究
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概要
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経口避妊用としての性ステロイドを持続的に投与した前後のBBTを解析すると,内分泌環境の変調はある程度示唆される.その投与中止後の排卵機能の回復過程を,投与する性ステロイドの種類および投与期間別に,BBT,子宮内膜,血中プロゲステロン値,LH-RH testをもつて追跡した. 1. BBTについて (1) 投与中止後第1周期において月経周期の延長が6周期投与群では76%,12周期投与群では92.3%,18〜20周期投与群では87.5%にみられる. (2) これら月経周期の延長は低温相の延長と高温相の短縮が特徴的で,低温相の延長は性ステロイドを投与した期間に相関する. 2. LH-RH testについて (1) LHの反応の回復は6周期投与群および12周期投与群では投与中止後消退出血第1日目より数えて2週目より,18〜20周期投与群では3週目以降にみられる. (2) FSHの反応は12周期投与群および18〜20周期投与群では投与中止後消退出血第1日目より数えて1週目以降より著しい亢進を示す.一方その亢進は6週期投与群では軽度である. (3) 6周期投与群では性ステロイドの投与量/1日の増加するものほど投与中止後のLH反応の回復は遅延し,一方FSHの反応亢進は著しい. 3. 子宮内膜,血中プロゲステロン値について (1) 投与中止後第1周期の推定排卵日以後の子宮内膜日付診では腺間質の不均衡が強く,分泌期様不全内膜を示す. (2) 同条件の血中プロゲステロン値は正常周期婦人の同値と比較してそれ以下を示すものが33.3%にみられた.
- 社団法人日本産科婦人科学会の論文
- 1977-02-01
著者
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