分娩誘発時におけるDehydroepiandrosterone-Sulfate (DHA-S) 投与の臨床効果に対する総合的解析

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概要分娩誘発時におけるDehydroepiandrosterone-Sulfate(DHA-S)投与の影響を総合的に解析するため、重篤な合併症のない分娩誘発の初産116症例を対象として全例にoxytocin点滴を施行し、DHAビ非投与群(Group A)、600mg点滴投与群(Group B)、および2時間毎に200mg静注投与群(Group C)の3群に分けて、？DHA-S投与による臨床効果の検討、？DHA-S投与時の母体血中DHA-S、estradiol(E2)値の変動、？母乳分泌およひ産獅期母体血中prolactm、E2値に及ぼす影響について検討し、以下の成績を得た。 1)Group Cの分娩？・？期時間はGroup Aに比較して有意に短縮したが(p<0 02)、それ以外の臨床成績には3群間で有意差はなかつだ。 2)母体血中DHA-S、E_2のいずれもDHA-S投与により有意に上昇したが(p<0 05〜0 005)、GroupCの方がGroup B に比較してより高値を示す傾向か得られた。 3)1ヵ月検診時に母乳分泌が良好てあつた母乳群において産褥1週間の母乳分泌状況を詳細に観察したところ、DHA-S投与群では非投与群に比較して産褥1〜4日目の母乳分泌量は一過性に有意に低下したが(p<0 05〜0 005)、その後は有意差はなく、1ヵ月後の母乳哺育状況にも影響はなかつた。また産褥1週間の総乳汁分泌量とDHA-S総投与量との間には有意の逆相関がみられた(r=-0 6320、p<0 005)。 4)産褥期母体血中prolactm値にぱ3群間で有意差は認められなかつたが、血中E_2値はDHA-S投与群の方が非投与群に比較して分娩48時間後まて有意に高値を示した(p<0 05〜0 005)。以上のことから、分娩誘発時のDHA-S投与法としては2時間毎の200mg静注投与が母体血中DHA-S、E_2値からも有効であると考えられた。またそれにより母乳分泌は一過性に抑制されるが、これはDHA-S投与により生じた一過性の母体血中estradiol高値によるものと思われた。
社団法人日本産科婦人科学会の論文
1986-09-01

分娩誘発時におけるDehydroepiandrosterone-Sulfate (DHA-S) 投与の臨床効果に対する総合的解析

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