Flow Cytometryによるヒト子宮内膜癌の細胞周期におけるエストロゲン受容体量の動的変化に関する検討
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
概要 estrogen receptor およひprogesterone receptor を有するヒト子宮内膜癌のモテルとして、石渡らによつて樹立された分化型内膜癌細胞(HHUA細胞)を1-(N)-nuorescemyl estrone thlosemlcarb-azone(17-FE)とpropldlum lodlde (PI)とて二重染色しnow cytometry (FCM)を用いた核酸量とER量の同時測定法により細胞周期におけるERの動態と量的変化について検討すると、HHUA細胞に対する17-FEめ結合飽和曲線から本細胞ぱtype I およひtype ? estrogen receptor を有すると考えられた。細胞周期におけるtype ? receptor (ER)の動態を見ると、細胞内ER量ぱ核酸量の増加に対して増加し、G2/M期の細胞ぱG1期の細胞の146倍の増量を示した。細胞質およひ核ERについてみると、細胞質ER量ぱ、S期に増加しGI期の細胞の140倍量の値を示した。また、核ER量ぱ、G2/M期に増加しG1期の細胞の165倍量の値を示した。G2/M期における単位時間当りの核ERの増加率ぱ、G1期に比して21倍となり、G2/M期におけるERの特異的核内蓄積が認められた。一方、FITC染色から求めた細胞蛋白量ぱG1期に比べてG2/M期で約2倍に増加するものの、細胞質およひ核蛋白量の変化にぱERのような細胞周期特異性ぱ認められなかつた。次に、ヒト子宮内膜細胞の核ER量ぱG2/M期/GOG1期=2 86土112を示しつつ増殖期初期より後期にかけて明らかに増加を示した。また、組織診上ホルモン異常が疑われた症例てぱ核ER量ぱ極く低値を示した。内腹痛症例について核ERの細胞周期における動態を検討すると、1)G2/M期で核ERの増加を示しERおよび核acceptorを保持していると考えられる症例、2)ERの産生ぱあるかG2/M期て核ERの増加を示さす核acceptorの障害か疑われる症例、3)ERの存在しない症例の3群が認められ、組織分化度との関連性が示唆された。以上の結果より、正常子宮内膜およひ子宮内膜癌細胞におけるestrogen依存性増殖ぱ、核ER量、特にG2/M期における核ERの集積と密接な関係を有すると考えられた。
- 1986-12-01
著者
関連論文
- 89. Flow cytometry(F.C.M)によるヒト子宮内膜腺癌細胞の核DNA量とステロイドレセプター量の同時定量 : 第15群 悪性腫瘍 III (84〜89)
- 25.FCMによるヒト子宮内膜腺癌細胞の核DNA量とステロイド・レセプター量の同時定量法に関する研究(第3群 子宮体部, 示説, 第22回日本臨床細胞学会秋期大会)
- 180.黄体ホルモンの癌細胞同調効果とビオチンとの関連性に関する研究 : 第36群 子宮内膜癌 II(176〜181)
- 6.蛋白-DNA同時螢光顕微測光法による各種制癌剤の抗腫瘍効果の判定 : 第2群 悪性腫瘍の診断II(6〜10)
- 210. 単一細胞内ステロイドセプターの迅速定量法とその臨床応用 : 第44群 内分泌・中枢・レセプターII
- 141. 子宮頚癌および境界病変の定量的鑑別診断 : 高8倍体細胞の生化学的検討 : 第30群 子宮癌・組織病理I
- ヒト子宮内膜癌における細胞内ステロイド動態の多様性と不均一性 : 免疫螢光抗体法による検討
- 正常ヒト子宮内膜細胞におけるエストロゲンとプロゲステロンの細胞内動態 : 免疫螢光抗体法による観察
- Flow Cytometryによるヒト子宮内膜癌の細胞周期におけるエストロゲン受容体量の動的変化に関する検討
- Flow Cytometryを用いた培養ヒト子宮内膜癌細胞の核酸量とestrogen receptor量の同時測定