超音波妊婦スクリーニングによる子宮外妊娠臨床像の改善効果に関する検討
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概要
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概要 超音波断層法の導入による子言外妊娠臨床像の変化を検討するため、導入前60例、導入後25例の臨床像を比較し、以下の結果を得た。 1)総分娩数に対する子言外妊娠の発生頻度ぱ0 72%であつた。 2)妊卵の着床部位ぱ卵管膨大部・峡部か最も多く87 1%であつだ。 3)超音波検査により子宮腔外に胎嚢およひ胎芽を認めた例ぱ20 0%、胎芽心拍動を確認できた例ぱ12 0%、附属器領域腫瘤を認めた例ぱ80 0%、骨盤腔内血液貯留像を認めた例ぱ40 0%であつた。一方100%に子宮腔内胎嚢像を認めなかつた。 4)500g以上の腹腔内大量出血をみた例ぱ導入前の40 0%に対して導入後ぱ10 5%で有意(p<0 05)に減少していた。 5)ショック状態を呈した例ぱ導入前18 2%、導入後53%て有意差ぱ認められなかつたか減少傾向を示した。緊急手術を必要とした例は導入前43 6%、導入後53%で有意(p<0 01)に減少しており、輸血を行つた例も導入前49 1%、導入後53%て有意(p<0 005)に減少していた。 6)手術時の平均妊娠週数ぱ導入前か8週1日、導入後が7週4日て、導入後に4日弱短縮していた。 以上の結果から、初診時よりルーチンに超音波断層法検査を旋行することによつて子宮外妊娠の臨床像、ことにリスクの軽減に関して改善効果が認められた。さらにこの改善効果ぱ子言外妊娠がより早期に診断され、手術を受けることか可能になつたことによりもたらされるものと考えられた。
- 社団法人 日本産科婦人科学会の論文
- 1986-12-01
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