子宮頚部扁平上皮内癌の不完全円錐切除例における長期追跡成績とその考察

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概要子宮頚部扁平上皮内癌(CIS)の生物学的性格の検索はその位置付けや治療法にも関与し、興味深い分野である。今回comzatlonを施行したCISの中で病巣遺残のある多数の追跡例を材料として、cone 標本組織所見と長期予後を対比して考察した。 Auckland unlverslty NatlonaI Women's HospltaIで1970〜79年の10年間にconlzatlonを行つてCISと診断した975例の中、不完全切除により確実に遺残あるいはそれを強く疑つた症例は216例(22 6%)である。そのうち2年以上追跡した211例(5年以上追跡率88 4%)を対象とした。組織学的検索には摘出子宮頚部に12〜16大割切片各染色標本を用いた。その結果、全対象の非再発率は62 9%であつた。摘出cone標本で病巣が円周2/3以上占居群では45 0%再発し、1/3以下群は85 4%非再発てあつた。標本の切断端に病変が4blocks以上存在した群は52 4%再発し、1block群は94。6%再発しなかつた。病変が標本の両切断端に存在した群では66 7%再発し、外及び内側の一側存在群でぱ79 5%、64 2%が非再発であつた。一方、cone後、希望或いぱ細胞診陽性のために再手術を行つた113例(53 6%)の組織検索では、初回cone標本の切断端に2blocks以上病変が存在した群は72 3%にCISを認め、1block群には813%に病変を認めなかつた。本対象群の追跡中に進展した症例は微小浸潤癌4例(190%)、浸潤癌2例(0 95%)と低い頻度を示した。また、細胞診の再発に対する陽性率は83 3%であつた。以上から、不完全に切除されたCISは非再発率が高く、とくに小範囲及び外側不完全切除群では自然消失が期待でき、CISの高度障害を受けた際の性格がうかがえた。また、この事実からCISの不完全conlzatlon後の症例にはfollow-upを第一選択にすべきと思われた。
社団法人日本産科婦人科学会の論文
1986-11-01

子宮頚部扁平上皮内癌の不完全円錐切除例における長期追跡成績とその考察

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