Gonadotropin Releasing Hormone (GnRH) cell line, GT1-7による Noradrenaline (NA)の GnRH 分泌機構について
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概要
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GnRH cell line (GT1-7) を用いて, Noradrenaline (NA) の細胞内情報伝達系への影響, 特に, 膜電位, 細胞内 Ca^<2+>濃度, cAMP 濃度, GnRH mRNA 発現について検討した. 膜電位の測定は, ニ次元螢光差分計測装置により, 細胞内Ca^<2+>濃度の測定は, Fura-2AM を加え, 340/380nm の螢光強度比により行った. GnRH mRNA については, probe として GnRH 細胞の RNA を templete として RT-PCR 法により標識した PCR 産物を使用し, Northern blotting で行い, 以下の成績を得た. 1. 膜電位は, NA 投与後平均11秒で脱分極が認められた. さらに NA に phentolamine を同時投与すると, 脱分極は抑制されなかったが, propranolol 同時投与では抑制された. 2. 細胞内Ca^<2+>濃度は, NA 投与で増加したが, Ca^<2+> free の medium では減弱した. NA に phentolamine 同時投与で細胞内 Ca^<2+>濃度は減弱しないが, propranolol 同時投与では減弱し, nifedipine 同時投与でも減弱した. 3. 細胞内 cAMP 濃度は, NA 添加後10分間培養で増加した. 4. GnRH 細胞の RNA の Northern blot hybridization では500bp に GnRH mRNA の band を認めた. dot blot hybridization では, NA 5分間添加で GnRH mRNA は増加を示した. 以上より, NA は, β-adrenergic receptor を介して膜の脱分極をもたらし, 電位依存性 L 型 Ca^<2+>チャンネルを介して, 細胞内 Ca^<2+>濃度を上昇し, adenyl cyclase 活性を亢進させ, GnRH 遺伝子を発現させることが示唆された.
- 社団法人日本産科婦人科学会の論文
- 1997-11-01
著者
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