心拍数自動解析パラメータと臍帯動脈血分析値の相関に関する研究
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概要
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分娩時の胎児心拍数変動と陣痛の定量的評価を胎児自動診断補助装置を用いて行い,5分毎の自動解析結果と娩出直後の臍帯動脈血分析値の相関を検討した.超音波ドブラ信号を用いた外側法は妊娠33〜42週における経膣分娩71例に施行し,直接誘導胎児心電信号を用いた内側法は妊娠36〜42週における経腔分娩61例に行った.自動解析パラメータには,胎児心拍数スコア,胎児仮死指数,子宮収縮面積値,20分間の一過性頻脈の数を用い,これらの娩出直前〜35分前までの8時期の解析結果を収集した.臍帯動脈血分析には全自動のRadiometerABL-2,ABL-3を用い,pH,PO_2,PCO_2,baseexcess(以下BEと略),HCO_3,Hbを測定した.本研究ではApgarスコア8点以上がほとんどで,7点以下は外側法群に2例,内側法群に5例含まれたにすぎず,ほとんど正常分娩と考えられた.しかし,自動解析パラメータは膀帯動脈血BE及びHCO_3と有意の相関を示した.外側法群では,臍帯動脈血BEに対して娩出20分前に最大の相関係数が得られ,胎児仮死指数との間でr=-0.393,胎児心拍数スコアとの問でr=-0.375であった.圓斉帯動脈血HCO_3に対しては娩出15分前に最大の相関係数が得られ,胎児仮死指数との間でr=-0.401,胎児心拍数スコアとの間でr=-0.393であった.子宮収縮面積値は,胎児心拍数スコア及び胎児仮死指数がBE及びHCO_3と有意の相関を示すよりも早期からBE及びHCO_3と有意の相関を示した.内側法群においても自動解析パラメータと膀帯血BE及びHCO_3とは有意の相関を示し,娩出35分前に最大の相関を認めた.
- 社団法人日本産科婦人科学会の論文
- 1984-07-01
著者
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