島根県における最近10年間の子宮癌集団検診成績の推移 : 細胞採取法と細胞診中央システム化

概要

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島根県においては子宮癌集団検診を昭和41年度から継続して実施している.今回は47年度から56年度までの10年間の受診数約20万人について,検診方式も昭和53年度には綿棒擦過をスパーテル擦過に変更し,54年度には細胞診の中央システム化を実施しているので,年度別の成績を比較検討して問題点を指摘し,今後の子宮癌集団検診に役立てたいと思い,細胞採取法と細胞診中央システムを中心にして検討し次の結果を得た.1)CAIは90前後で低値が続いている.2)要精検受診率は60%前後で低値が続いている.3)細胞採取法を綿棒擦過法からスパーテル擦過に変更したことと細胞診の中央化したことにより,癌発見率が約0.05%から約0.12%に向上,falsenegativeが減少し,細胞診と組織診の合致する率が高くなり,島根県の子宮癌死亡率も多少でも低下してきた.4)上皮内癌と浸潤癌で発見された者の比は81人対107人であった.5)初回受診老の受診割合が徐々に減少し,6回以上受診した者の数が増加し,受診考の固定化が認められてきた.又初回受診者に癌発見率は高く,しかも浸潤癌が多い.6)50歳以上,特に60歳以上婦人には受診率が低いが癌発見率は高く,しかも浸潤癌であることが多い.
社団法人日本産科婦人科学会の論文
1984-07-01