Gonadotropin-releasing hormone agonist (GnRHa)の子宮筋腫縮小効果の予測に関するパルスドプラ法の有用性について
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概要
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GnRHa(ブセレリン)による子宮筋腫縮小効果につき, その作用機序と治療効果の予測について超音波学的に検討した. 38例の子宮筋腫症例について, パルスドプラ法により子宮動脈と筋腫核動脈のresistance index(RI)を測定した. ブセレリン(900μg/日)を投与した筋腫症例15例につき, 子宮体体積, 筋腫核体積と子宮動脈RIおよび血中エストラジオール(E_2)値の経時的変化を追跡検討した. また, 筋腫核の超音波血流所見と組織所見ならびにブセレリンの治療効果についても比較検討した. その結果, 1) 筋腫症例の子宮動脈RIは正常例のそれに比べて有意に低値であり(0.77±0.09 vs 0.86±0.07, mean±SD, P<0.01), 子宮体体積と子宮動脈RIの間には負の相関関係を認めた. 2) ブセレリン投与により, 全例において血中E_2値の低下(85.2±60.7 vs 13.7±5.1 pg/ml)と子宮動脈RIの上昇(0.75±0.08 vs 0.84±0.09, p<0.01)が認められ, 15例中9例(60%)で筋腫核の縮小を認めた. 3) ブセレリン投与にて縮小した症例では治療前の筋腫核の血流が豊富(血流陽性群)であるものが多く, 一方縮小しなかった筋腫核では血流が乏しかった(血流陰性群). 4) 血流陽性群の組織学的所見は, 血流陰性群のそれに比べて血管に富み, かつ硝子様変性が少なかった. 以上の結果より, パルスドプラ法による筋腫核の血流評価がブセレリンの効果予測に有用であると思われた.
- 社団法人日本産科婦人科学会の論文
- 1995-11-01
著者
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