ProstaglandinsのRadioimmunoassayについて : 特に性周期,分娩時の血中prostaglandins動態を中心に
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概要
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プロスタグランディン(以下PG)とヒトの妊孕現象との関連を知る目的でCaldwellら(1971)は,radioimmunoassay(以下RIA)法を発表したが,これに改良を加えて,血中PGのRIAを開発し,本法を利用し,ヒト正常月経周期,および分娩時の血中PG値測定を行つた. 1) 抗体は,PGE_1,PGF_<2^α>を牛血清アルブミン(以下BSA)と結合させ,それを抗原として,家兎に免疫して作製した.抗原のPG-BSA complexの作製には,carbodiimide法,mixed anhydride法の両者を検討した.それぞれの抗血清の特異性,力価の検討を行い,特異性,力価ともに優れていたmixed anhydride法による抗血清なRIAに供した.本抗血清はそれぞれPGE_1,PGF_<2^α>にほぼ特異的であり,力価は×1,000,×2,000であつた. 2) 血漿よりのPGの抽出はN-ブタノールにて行い,薄層クロマトグラフィー(以下T.L.C)にて分離精製を行つた. 3) incubationは4℃,1時間の振盪とし,結合型,非結合型の分離には,dextran coated charcoalを使用した.なお本RIA法による測定感度は100pg/mlであつた. 4) (a)月経周期におけるPGE_1,PGF_<2^α>の動態 PGE_1は排卵前に高値(4.3±0.23ng/ml)を示し,排卵との関連性が推測された.PGF2_<2^α>は黄体期(2.3±0.41ng/ml),月経時(2.7±0.4ng/ml)を中心に高値を示したことから本物質と月経発米機序との密接な関係が示唆された. (b)分娩(自然分娩例,オキシトシン誘発例,メトロイリンテル誘発例)におけるPGF_<2^α>の動態 陣痛発来とともに漸増後(3.4±0.4ng/ml),分娩I期,II期にわたり,陣痛発作,間歇に関係なく高値を保ち,児娩出時さらに高値(5.8±1.15ng/ml)となつた.児娩出後約2時間を経て,漸減する傾向を認め,本物質が陣痛発米機序の一端を担つていることが推測された.
- 社団法人日本産科婦人科学会の論文
- 1976-06-01
著者
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