新しい分子マーカーを用いた妊娠・分娩・産褥時の凝固線溶系の動態に関する研究
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概要
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従来の血液凝固線溶系の指標に加え, 新しい分子マーカーである F1.2, Active PAI-1, Fgfr と Fbfrを測定して, 正常妊娠時における凝固線溶の動態および子宮胎盤局所循環系における凝固線溶機構について検討した. 対象は非妊正常婦人30例を対照とし, 正常妊婦20例の末梢静脈血, 尿および妊娠末期に帝王切開を施行した非妊娠中毒症の妊婦30例について末梢静脈血, 子宮静脈血について検討した. 1. 妊娠・分娩時の凝固性亢進は間違いのない事実である. この成績には子宮胎盤局所での凝固充進も関与している. 2. 妊娠時の全身血の線溶抑制は主として, PAI-1の増加によるものである. 一方, FDP や D-dimerの増加で表現される線溶亢進の所見は全身血の線溶抑制とは相容れないものであるが, これは主として子宮胎盤局所における線溶充進の反映である. 3. 胎盤剥離に伴い, 妊娠末期よりはさらに著しい局所血栓形成や局所線溶を示した.
- 社団法人日本産科婦人科学会の論文
- 1995-07-01
著者
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