11 歳女児に発生した乳腺巨大線維腺腫の 1 例
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概要
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症例は11歳女児で, 主訴は右乳房腫大.1997年7月頃より右乳房腫大に気づくも放置していた.以後乳房は徐々に増大し, 腫大が著明となったため, 1998年4月に当科受診した.初診時の所見では右乳房全域をしめる径11cmの巨大な腫瘤を認めた.腫瘤は弾性硬, 可動性良好で, 周囲との境界も明瞭であった.穿刺吸引細胞診はclass IIで, MR検査では右乳房全体をしめる分葉傾向の強い腫瘤で, 正常乳腺は内側に圧排されていた.以上の所見より巨大線維腺腫の診断にて1998年5月に摘出術を施行した.乳房外側下方に約10cmの弧状皮膚切開をおいて, 正常乳腺をできるだけ温存し, 腫瘤を摘出した.巨大な腫瘤にも関わらず術後乳房の変形は軽度であった.15歳以下の女児にみられる乳腺維腺腫はまれである.本症は良性疾患であり, 乳房が発達段階にある小児においては, 正常乳腺をできるだけ温存することが重要と考えられた.
- 日本小児外科学会の論文
- 1999-02-20
著者
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