胆道閉鎖症における葛西手術の手術成績 : 24 年の経験から
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概要
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筆頭著者が1967年以降24年間にわたって自らが手術に関与した, 先天性胆道閉鎖症143例(I型13, III型130例)の葛西手術の手術成績を中心に報告した.大多数の誘導術式はoriginal Roux-Y法であった.手術成績は黄疸消失率, 現在の生存率で判定したが, 症例全体の黄疸消失率55.9%, 生存率38.5%であった.後期8年間のIII型の黄疸消失率65.4%, 生存率54.0%と手術成績が好転している.この理由は手術日齢の遅れている症例の減少に起因している.術後合併症のなかで最大の問題である上行性胆管炎, とくに予後の悪い術後早期の発症例は年代を追うごとに減少し, 葛西原法においても胆管炎防止誘導術式に比し遜色はみられなかった.1975年より再手術を積極的に導入してきた.データ上示すことはできなかったが, 初回手術によって胆汁流出のほとんどみられなかった症例の再手術は無効例が多かった.III型黄疸消失70例中すでに21例が死亡しているが, 若年齢死亡例は胆管炎によるものが多く, 年長死亡例は終極的には肝硬変, 肝不全によるものであった.現在生存49例中3例はすでに年長になってから肝移植が行われているが, 現在肝変化の進行している例が6例存在しており, いずれ肝移植が考慮される症例であった.多少の肝機能の変動はあるものの, 通常の生活ができている問題なしとされた例はIII型では40例で, III型全手術例の30.8%であった.現在の葛西手術の手術成績はほぼ限界に達しているように思われ, 肝移植の導入によりよりいっそうの手術成績向上を期待したい.
- 1998-10-20
著者
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