子宮頚部異形成・上皮内癌のDNA ploidyパターンとheterogeneityの評価 : フローサイトメトリーを用いて
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概要
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子宮頚部異形成(軽度9例, 中等度30例, 高度47例), 上皮内癌(定型的35例)を対象として, フローサイトメトリー(FCM)により核DNA量の定量を試みた. さらに, DNA ploidyパターンとheterogeneityについて検討し以下の結果を得た. 1)測定精度 : DNAヒストグラムのco-efficient of variation値はヒト新鮮白血球では0.7〜1.2%, 異形成・上皮内癌の第1 aneuploid peakでは平均3.6%(1.5〜5.5%)であった. 2)軽度, 中等度, 高度異形成および上皮内癌のDNA aneuploidy(DA)の検出率は, それぞれ77.8, 93.3, 100, 97.1%と高率であった. 3)heterogeneityの検出率は, それぞれ11.1, 23.3, 76.6, 28.6%と, 高度異形成で高値, 上皮内癌では比較的低値であった. 4)高度異形成ではDNA index (DI)値が1.5以上で2.0前後のDAが高率にみられたが, 上皮内癌ではその出現は少なく, DI値1.1前後のDAが主体であった. 以上の成績より, 高度異形成のクローンはheterogeneityが高くゲノムが不安定であり, しかも4倍体化している可能性があること, 定型的上皮内癌のクローンは高2倍体に相当する比較的均一なDNA量をもつことが示唆された.
- 社団法人日本産科婦人科学会の論文
- 1993-12-01
著者
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