胎児音響刺激試験による胎児心拍数反応パターンの臨床的意義について
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概要
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妊娠25週以後の正常妊娠157例, 異常妊娠63例の分娩開姶前に胎児音響刺激試験: fetal acoustic stimulation test (以後FASTと略す) を施行し, その胎児心拍数の変化について検討した。胎児音響刺激による胎児心拍数の反応パターンを五つに分類して検討した。1. 妊娠25〜26週でのI型出現率は28%と低いのに対し, 妊娠27週以後では80%以上と高率であった。2. 〓帯巻絡群ではIV型の出現率が30%と高かった。3. Nonstresstest (以後NSTと略す) がequivocal又はominous patternでFASTがIII, IV, V型になった例では, 高率にfetal distressが発生した。また経日的追跡成績では, 1日以内にfetal distressが発生するようなacuteな例ではNSTの異常が先行することが多く, 7日以上経過してからfetal distressが発生するようなchronicな例ではFASTの異常が先行することが多かった。4. FAST反応タイプが異常を示した例を追跡すると, III型のままであったものと, IV, V型へと推移した症例のほとんどがhigh risk pregnancyであり, fetal distressが高頻度に発生した。N型のままであったものと, III, V型へと推移した症例においてもほぼ同様の結果であった。
- 社団法人日本産科婦人科学会の論文
- 1991-11-01
著者
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