神経芽腫C1300移植新生仔マウスのリンパ球動態に関する研究
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
神経芽腫にはin situ neuroblastoma の存在,腫瘍の分化・成熟,自然消退など極めて興味ある現象が知られている.これには宿主の免疫能,特に細胞性免疫能が関与しているのではないかと考えられ,それを明らかにするために実験モデルとしてマウス神経芽腫細胞C1300を用いた基礎的研究が行われている.しかし,これらのほとんどは成熟マウスを用いての実験であり,胎生期に腫瘍の発生が考えられている神経芽腫に対して,新生児期の宿主免疫系がどのように働いているかを検討するのに適切な実験系とは言い難い.そこで,本研究ではヒト神経芽腫の年齢的特異性を考慮に入れ,新生仔マウスモデルを作成し,担がん各時期の腫瘍に対する宿主免疫応答を flow cytometer による two color 解析を用いて,主にリンパ球サブセットの動態面から検討した.その結果, L3T4, Lyt2, Thy1.2の推移から,免疫系が発達途上にある新生仔マウスでは担がん状態となっても,なおも免疫系の成熟過程が見られた.新生児期には潜在的にこのような成長に伴う免疫能の上昇能力が存在し,腫瘍の自然退縮など一連の特異的な現象に何らかの影響を及ぼしている可能性が考えられた.
- 日本小児外科学会の論文
- 1994-10-20
著者
関連論文
- 1524 妊婦の鼠径ヘルニア : 子宮円索の処理方法について
- 11.腹腔鏡下胆嚢摘出術を施行した小児胆石症の1例(一般演題, 第32回日本小児外科学会中国・四国地方会)
- 小腸に癌腫ならびに IIc 様異型上皮巣が多発した被爆者の1例
- 示68 腸逆回転症の2例
- 示54 肺葉切除を行った肺アスペルギルス症の1例
- 示32 拡大右葉切除を行った新生児肝血管内皮腫の1例
- 39.胎児内胎児の1例(第30回日本小児外科学会中国四国地方会)
- 17.当院における Hirschsprung 病症例の検討(第30回日本小児外科学会中国四国地方会)
- 示59 当科における小児胆石症の検討
- 21.先天性胆道拡張症と鑑別困難であった胆道閉鎖症 I cyst 型の1例(ミニシンポジウム:I cyst 型について, 第20回日本胆道閉鎖症研究会)
- E87 双方に低位鎖肛の発症をみた一卵性双生児症例
- 23.膀胱腸裂の1例(第31回日本小児外科学会中国四国地方会)
- 739 小腸に癌腫ならびに陥凹型異型上皮巣が多発した被爆者の一例(第39回日本消化器外科学会総会)
- 神経芽腫C1300移植新生仔マウスのリンパ球動態に関する研究
- 20.小児直腸孤立性潰瘍症候群の2手術例(一般演題, 第32回日本小児外科学会中国・四国地方会)
- 粘膜関連リンパ組織の過形成による食道粘膜下腫瘍の1例