子宮収縮信号を除外した胎児心拍数診断に関する研究
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概要
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胎児心拍数のみによる分娩時胎児診断の可能性を検討するために本研究を行った. 対象は重症の全身または産科的疾患のない妊娠36〜42週の経腔分娩65例であった. 分娩時の胎児心拍数図の異常所見は徐脈と変動一過性徐脈のみで遅発一過性徐脈はみられなかった. 従来の胎児心拍数自動診断プログラムから子宮収縮による判断論理を除外し, 従来のプログラムとともに, フロッピィディスクに格納した分娩時の胎児心拍数と子宮収縮の両信号を反復解析した. 二種類のプログラムで得られた胎児心拍数スコア(FHRスコア)と胎児仮死指数(FD指数)はそれぞれ正の相関が大であり, ことにFD指数はよく一致した. 臍帯動脈血Po_2, Pco_2, BE, pHはFHRスコアおよびFD指数と相関し, とくにBEおよびpHとの負の相関が大であった. 子宮収縮信号の有無による相関に有意差は認められなかった. 7.25以下の臍帯動脈血pHをFD指数から予測する鋭敏度は両群86.4%, 特異度は子宮収縮を加味した場合88.4%, 除外した場合90.7%で, 両群間に有意差を認めなかった.
- 社団法人日本産科婦人科学会の論文
- 1990-09-01
著者
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