Cytodex beads付着下垂体前葉細胞を用いた灌流実験によるLH放出機構とdesensitization機構についての検討
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概要
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下垂体前葉からのLH分泌機構およびLHRHによるdesensitization機構を解明するために, cytodex beads付着ラット下垂体前葉細胞で灌流実験を行い以下の結果をえた. 1) LHRH 10^<-8>Mを間歌投与すると規則的で急峻なLHのpulse状分泌がえられるが, LHRH 10^<-8>M でも持続投与を行うと, 投与開始後15分でLH放出は最高値となり以後漸減し3時間後にはLHの分泌が低下した状態となった. また10^<-7>M反復投与でもdesensitizationの状態となった. 2) このdesensitizationの状態でもさらに高濃度のLHRH, K^+や8-bromo-cAMPを投与するとLH分泌を認めた. 3) 8-bromo-cAMPは30μMや0.3mMでは反応しないが, 3mMでLH分泌がもたらされ, Forskolin にてもLH分泌が認められた. 4) PMA(phorbol myristate acetate), OAG(1-oleoyl-2-acetylglycerol), A-23187(Ca^<2+>ionophore)にて有意に高いLH分泌がえられた. AA (arachidonic acid)では軽度のLH分泌がえられたが, このLH分泌はNDGA (nordihydroguaiaretic acid)により抑制された. 以上cytodex beads付着下垂体細胞のsuperfusion systemによる実験系でLHRH pulseのfrequencyやamplitudeが生理的範囲を超えると容易にdesensitizationが起ること, そしてその機序が主としてGnRHのreceptor levelで起っていることが示唆された. また下垂体からのLH分泌機構にはA-kinase系, C-kinase系, およびCa^<2+>-AA系がそれぞれ関与しており, とくにAAによるLH分泌にはlipoxygenase pathwayが関係していると考えられた.
- 社団法人日本産科婦人科学会の論文
- 1990-05-01
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