局在電子の格子緩和と無輻射遷移 : ポテンシャル交差系の動力学
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概要
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結晶中の局在電子が光ではなくフォノンを多数個吸収(放出)して遷移するという多重フォノン無輻射遷移の理論が久保・豊沢によって導出されたのは25年程前である. 以来, これは結晶や分子の中の無輻射過程を説明する一つの方法として頻繁に使われてきたが, この理論は遷移の始状態で格子が熱平衡にある時にのみ適用できるもので, その意味では静的なものである. ところが, 最近, 光で励起された電子が格子緩和の途中で動力学的に無輻射遷移する現象が光学的測定技術の進歩によって多数見出され注目されるようになってきた. ここでは, この動的遷移に関する実験と理論の進展について紹介する.
- 社団法人日本物理学会の論文
- 1980-03-05