超高圧下における氷の水素結合 "対称化"
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概要
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氷は水分子が水素結合で結ばれた分子結晶である. 水素結合軸上には水素の平衡位置が2つあり, それらは中央のエネルギー障壁によって隔たれている. 高圧下では2つの平衡位置が近づくとともにエネルギー障壁が低くなり, やがては1つの平衡位置を持つようになる. これが水素結合の対称化である. 氷の水素結合対称化は高圧科学の長年の課題の1つであった. プロトントンネリングが主要な役割を担っている相転移であり, 転移機構に関する多くの理論研究がこれまでに報告されている. 100万気圧を超える高圧下での赤外振動スペクトル測定によって氷の水素結合対称化が初めて観測された.
- 社団法人日本物理学会の論文
- 1999-04-05
著者
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