将来エネルギーと環境の物理学
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
化石燃料, 原子力資源は将来世代のために残しておかなければならない. そのためには速やかにライフスタイルを変えて, 一切のエネルギーを復元可能なエネルギーに依存する以外にない. 小規模エネルギー源としては太陽電池とバイオマス, 中規模エネルギー源としてはソーラーポンド, 水力, 風力, 地熱発電などが有力である. 一方, エネルギー機構と環境の間には本質的な関係があり, たとえば気温変動を最小に抑えているのが水の集蓄熱機能であるが, その同じ物理がソーラーポンドに利用されている. ソーラーポンドの機構がまた北極海に働いていて海洋大循環を駆動し, そのため深海は低温となって酸素や二酸化炭素が保持されているなど, 海洋の活性化と地球冷房の役割を持っている. 北極海の延長である深海の低温と中低緯度海洋の表層温度との温度差に大きな利用可能なエネルギーがあり, 将来の大規模エネルギー源として期待できる. 以上の結論のために, 集蓄熱に関する自然と人為とその結合の物理を述べ, 効率の評価をする.
- 社団法人日本物理学会の論文
- 1996-10-05