皮脂分泌の動態に関する研究(その3) : 分娩前と分娩後における皮脂分泌の変動
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概要
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1)分泌した脂肪酸の数・量は個人差が著しい。2)被検者全員に分泌がみられた脂肪酸は,C_<14>(ミリスチン酸),C_<16>(パルミチン酸),C_<18>(ステアリン酸)の3脂肪酸,量的に多い脂肪酸はC_<16>(パルミチン酸),C_<18>(ステアリン酸),C_<18-1>(オレイン酸),C_<16-1>(パルミトレイン酸)の4脂肪酸である。3)個人の脂肪酸構成比は,大差なくC_<18>が約54%,C_<18>が約27%,C_<18-1>,が約8%,C_<16-1>が約5%,C_<14>が約5%,C_<12>が0.2%弱である。但し,分泌している脂肪酸と分泌していない脂肪酸があり,全員に適用することは不可能である。4)分娩後に分娩前の約10倍近い分泌量が認められた。5)陣痛時間の平均は約4時間前後であるが,その時の皮脂分泌量を平均値とするならば,それより短いか長い陣痛時間の妊婦の皮脂分泌量は,増大している。6)分娩時刻別の皮脂分泌は,午後の方が午前より分泌量が多く,日内リズムに則している。7)分娩の月別皮脂分泌は,各月の分泌動態から季節変動が認められる。以上,陣痛,分娩という特殊な状態におかれても,ホメオスタシスを基盤に生体リズムを繰り返しながら,生理機能は営まれている。汗や尿成分,内分泌腺系,神経系,血液成分等と同様に皮脂分泌も,外部環境に対して変動することから,基礎代謝,特に熱量産生に関しての間接的指標となり得る,と考えたい。
- 1980-03-01
著者
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