体操療法

概要

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太極拳という体操は,静かに呼吸し静かに身体を動かし,静かな心が得られるという自然にかなったもので,すぐれた歴史文化遺産である。千六百年前,華陀は五禽の舞を健康法として奨励した。虎,猿,熊,腹,鳥の連動型を呼吸と合せて身体をゆっくり動かす舞のような体操法を推励した。これが明の時代に太極拳という名になり武術的な発達した時代もあったが,現在中国の人民大衆に普及発達したのは簡化太織堆と呼ばれるもので,24の運動型に確にも解るように略式にまとめたものである。太極拳の特徴を述べて見よう。(1)動作が柔かで中高年者や病人の修練にも適し,精神衛生によく坐禅と似ていて静かな心が得られる。(2)太極拳はスローモーション映画に見るような動きで流れるような連続動作である。上半身の力を抜くという放松功と呼ぶものが特徴で,下半身に重心を置き姿勢が低く大腿部,膝に自然とカが強くなり,足腰の循環がよくなりこれを強化させる。(3)肩に力を入れないので呼吸し易く,呼吸は深く重くゆるやかな腹式呼吸で気功と呼ぶ。呼吸に合せて身体をスローに動かすので連続的にやっても疲労感がないのはエネルギー消費が少く心拍数の増加が少いためである。
1978-12-01